外国人の雇用3:ビザと在留資格
このサイトでもビザと在留資格をごっちゃに使っています。これはわざとそうしているのですが、正確にはビザと在留資格は異なる概念を指します。
外国人に関する仕事をしているときは、ほとんどの場合、ビザという言葉を使い、在留資格というのは、入国管理局の職員と話をするときなど限られたときにしかありません。しかし、入国管理局の職員も多くの場合ビザという言葉を使っています。在留資格は、文書上の言葉になってしまっているかもしれないと感じられるほど、使われることはありません。
それでも実際は異なる概念ですので、ここではビザと在留資格について、説明させていただきます。
ビザは日本語では査証といいます。このビザ、査証は海外の日本大使館が外国人に対して発給するもので「日本に入国することを推薦します」という主旨の書類で、海外においてその外国人をある程度審査しましたよという証明書になります。
この事前審査があるから、外国人は成田空港などでスムーズに日本に入国することができるのです。
もし、この事前審査制度がなければ、外国人は成田空港で何日も足止めされて審査されてしまうかもしれません。
本来のビザは、日本に入国するための書類だと思っていただければ間違いではありません。
一方で、在留資格ですが、これは日本で行う活動について必要な資格となります。
この在留資格は、身分(例えば日本人の奥さんであるとか、他の在留資格を持っている外国人の子どもであるとか)に基づいた在留資格と、仕事の内容に応じた在留資格の2種類に分類することができます。
また、90日以内の旅行や直接収入を伴わない商談や会議などを行う出張の場合は、短期滞在という在留資格が付与されます。これは海外の日本大使館でビザの申請をする以外に特別な手続きは必要ありません。また、ビザ免除国とされている国の人についてはビザの発給手続きさえ必要ありません。日本に入国すると同時に短期滞在が付与されたことになります。
しかし、90日を超える滞在や90日を超えなくても収入を伴う活動をする場合は、別途手続きをして、活動の内容に応じた在留資格を得る必要があります。
整理しますが、ビザとは日本に入国するために必要な書類で、在留資格とは日本に在留して何らかの活動をすることができることを証明する資格になります。
ただし、この2つの概念は、実務上重複することが多いので、このサイトでは特別な理由がない限り、ビザあるいはビザ・在留資格と表記することといたします。