こんなに難しくなった永住申請

高市政権による「外国人の在留管理の厳格化」によって、永住申請がますます難しくなっています。
ここでは、永住申請の要件とポイントについて、できるだけシンプルに解説したいと思います。
家族全員で審査される
永住申請は、申請人本人だけでなく、家族全員で審査されます。したがって、例えば、奥さんの住民税の納付が遅れていたとか、20歳を過ぎた子供の国民年金の支払いが遅れたというだけで不許可になります。
よく、奥さんの状況に問題があるので、奥さんは永住申請せずに夫だけ永住申請したいという話を聞きますが、この場合でも奥さんの書類が必要になり、奥さんの状況によって不許可になる場合があります。
審査中に基準が厳しくなることがある
永住申請の基準は、日を追って厳しくなっていますが、申請日時点の基準が適用されるだけでなく、申請後に変わった新しい基準であっても、それ以前に申請したものの審査に適用されています。現在、東京入管では、永住申請の審査に2年近くかかっていますが、新しくできた基準が2年近く前に申請した申請に適用されることもあります。
永住許可の要件とポイント
ここでは現時点での永住許可の要件とそのポイントについて解説しますが、現在の在留資格によって多少変わる部分もありますので、主として就労ビザの人を対象とします。
原則として引き続き10年以上本邦に在留していること
これについては特段変わっていませんね。定住者であれば5年、配偶者系のビザであれば婚姻して3年以上、日本に来て1年以上です。
現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること
これまでは3年の在留期間があれば永住申請できましたが、2027年4月1日からは、ほとんどの場合5年の在留期間が必要になります。
独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
要は一定以上の収入があることということになります。これまでは、年収300万円以上を基本として、家族がいる場合は、プラスアルファが必要となっていました。しかし、最近のインフレによって、これも変わる可能性があります。さらに高市首相は「日本人の平均年収以上」と言い出しましたので、500万円以上を求められる可能性がでてきました。
就労ビザの方は、5年分の課税証明書を提出しますが、このうち最低でも4年は、300万円プラスアルファの年収が求められます。今後は、5年全部が300万円プラスアルファである必要があるかもしれません。
全ての税金を適切に支払っている
在留資格の更新の際には、住民税の納税証明書だけを提出すればよかったのですが、永住申請の場合は国税、つまり税務署の納税証明書も必要になります。
さらに、ここが非常に重要な変更ですが、税金を納付しているかどうかだけでなく、納期までに納付しているかどうかまで証明しなくてはなりません。住民税の納税証明書についても、5年分の提出が必要となるので、5年間一度も払い遅れがあってはいけないことになっています。住民税を会社で払ってもらっている「特別徴収」であれば問題はないのですが、自分で払っている「普通徴収」の場合、5年間一度も遅れたことない人は珍しいのではないでしょうか。
健康保険、年金を適切に支払っている
住民税だけではありません。国民健康保険、国民年金につても、2年間ですが、払い遅れがあると永住申請は不許可になります。
会社で社会保険や厚生年金に加入している場合は安心ですが、2年以内に転職していて、転職の間が1カ月以上ある場合は、そこで払い忘れが生じている可能性もあるので、注意しなくてはなりません。
また冒頭でも書きましたが、20歳以上の子供も20歳になった月から国民年金の支払い義務があります。学生の場合は猶予がありますが、猶予の申請は、最初の支払日(基本的には20歳になった月の翌月末まで)までにしなくてはなりません。それより遅い場合は、払い遅れがあったと入管は考えるようです。
自分の子供でない場合でも、同じ世帯に入っている場合は、家族とみなされるので注意が必要です。
各種の届出を行っている
よく不許可の原因となるのは、転職の届出を怠っているケースです。就労ビザの人は会社を辞めたり、就職したりした場合、その時から2週間以内に届出をする必要があります。今のところ、2週間以内でなくても届出さえすれば永住許可はもらえていますので、過去に転職の届出をしていないと思われる場合は、今からでいいので、届出しましょう。
また、「経営・管理」ビザの方は、会社の移転も届出しなくてはならないので、これもやっておきましょう。
過去の転職を届出したかどうかがわからない場合は、それだけを調べることはできませんが、全ての情報を入管に開示してもらう外国人登録原票の開示請求というのがあるので、これを利用して調べることができます。
まとめ
高市政権による「外国人の在留管理の厳格化」は、悪質なルール変更と言わざるを得ません。「外国人との共生」と言いながら、外国人が暮らしにくい国を作ろうとしています。このままでは、外国人に選ばれない国になり、労働力の低下、生産力の低下を招くことになります。
1990年以降、バブルの崩壊と円高によって苦しんだ日本企業は、海外に生産拠点を移し、中国やアジアから安価な商品を輸入する国へと変貌しました。最近、ようやく円安になり、安価に製品を製造できる可能性が出てきたのですが、実際に生産量は増えていません。日本に生産拠点がなくなっていることに加えて、労働者不足で工場を作ってもそこで働く人がいないからです。
そうした時こそ外国人が住みやすい国を作るべきなのに、日本政府は逆のことをしています。一部にルール違反をする外国人がいることは確かですが、ルール違反をすると日本にいられなくなることをわかっているので、法令遵守については日本人以上に慎重です。
ワンストップ行政書士事務所は、反外国人政策をとる高市政権に反対の立場をとっています。










