定住告示にある「未成年」は何歳のことなのか?
在留資格「定住者」のうちいくつかには「未成年」であることが条件となっている
身分系の在留資格である「定住者」のうち以下のものについては、「未成年」であることが条件となっています。まずは、定住告示を抜粋してみます。
六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
これは「定住告示6号」と言われているもので、読んでもわかりにくい文章なので簡単に整理します。
イ:日本人、「永住者」、「特別永住者」の子について
ロ:「定住者(日系人を除く)」の子について
ハ:日系人として「定住者」となった者の子について
ニ:日系人、「永住者」、「特別永住者」の配偶者で「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ者の子
上記のような「子」については、「(その実親の)扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子」であれば、「定住者」ビザがもらえるとされています。
ここでいう「未成年」というのは何歳のことか
ここで問題となるのは、「未成年」という言葉です。ご存知の通り、現在日本の成人とは20歳以上となっていますし、2022年4月から18歳以上が成人ということになっています。しかし、現在、日本を除く多くの国で18歳以上が成人とされています。
これについては、入国管理局では「20歳以上」を成人と取り扱っているようです。つまり、日本の法律でいうところの未成年、成人が適用されています。
話がこれで終わりであれば簡単なのですが、実際のところ、じゃあ19歳までなら「定住者」ビザが取れるのかと言われればそうではありません。
「未成年」というのは「こども」を意味している
ここで注目していただきたいのは、上記の告示では「扶養を受けて生活する」という言葉が付いていることです。つまり、生活力のない「こども」を意味しています。「こども」というのは「私の子供です」とか「あなたの子供は何歳ですか?」とかに使われる「子」という意味ではなく、「おとな」、「こども」の対比で使われる「こども」です。
その意味でこの告示を言い換えると、「親の扶養なしに生活できない未婚のこども」という意味になります。したがって、高校を卒業した年齢まで国元に置いておいた18歳、19歳になって日本に呼び寄せるというのは非常に難しくなります。
まずは「どうして今まで呼び寄せなかったのか」、「呼び寄せなくても扶養する上で支障がなかった理由」、「今後日本で扶養しなければならない理由」をしっかり説明できなければ、「定住者」ビザをもらうことはできないと思われます。実際のところ、ほとんどのケースでは合理的な説明が難しいと思われます。
できるだけ早く子供を呼び寄せれば、それだけ「定住者」ビザを取る可能性が高まる
もし、あなたが自分の子供を日本に呼び寄せたいのであれば、何年も国元に子供を置いておくのではなく、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」、あるいは「定住者」といったビザをとったらすぐに子供を呼び寄せることです。この場合であれば、17歳、18歳でも「定住者」ビザがもらえる可能性が多少はあります。